マルティネスの聖騎士団英雄たち

Introduction

 凡そ二千年程前、突如現れた巨大彗星が、惑星アウラへ接近した。

 この衝突を予言した天才魔道士アイリーンは、聖騎士団と呼ばれる組織を結成。彼らの勇敢なる行動により、人類はアイリーンが予知した全滅を免れ、最低限の被害で済んだと言われていた。
 彗星の影響を受けて突然変異した生物、通称「魔物」が世界中で発生し、人々を襲うような物騒な世の中。その地は決して赤に穢されない青に囲まれ、人々は笑い、音楽を奏で、美味しい物を胃に入れる。
 他の国のように飢餓に怯えることも、魔物の脅威に怯えることもない。余裕のある生活があるからこそ、彼らは外からやってきた人にも隔てなく優しくできる。そんな、理想のような国。

 その平穏な国の地下で、全てを壊そうと口元を歪ませた男の陰謀が蠢いていた。しかし平和というぬるま湯に浸り続けた民たちは誰一人、終わりゆく世界に気付けなかったのである。

 平和と引き換えに世界が失ったものとは。
 何かが欠如した世界で、少年たちは足りない物を探しに行く。
 (→Attention)

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